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zoom RSS 「月のさなぎ」  石野 晶

<<   作成日時 : 2011/01/17 17:24   >>

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慌しく過ごしているうち、いつの間にやら年が明けてしまいました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2011年1月
今年初めの”着物でお出かけ”は、
毎年恒例の「新春浅草歌舞伎」鑑賞でした。


今回の出し物は、「三人吉三巴白波」と「独楽」でしたが、
「三人吉三」で和尚吉三を演ずる片岡愛之助さんが、
体調不良のため休演されることになり、
中村亀鶴さんが代役をされたのです。

プロとはいえこれだけ大勢の観客を前にして、急遽演じなければならないなんて、
お芝居の世界に疎い私ですら察することができるのだから、関係者の方々にはさぞ・・・。

お芝居が始まると、代役等々のことはすっかり頭の中から消え去り、
麗しい中村七之助さん演ずるお嬢吉三の、
こいつぁ春から 縁起がいいわえ
のセリフに、
「おお!このセリフ知ってる!!」
と驚いたり。

歌舞伎についての知識がなんらなくとも、やはり日本人。
日常接する世間の中で、知らず知らずのうちに、
そんなセリフも耳にしているんだなぁと、なんだか嬉しく思えたのでした。
(これは「厄払い」と呼ばれるセリフの最後の部分。歌舞伎の名科白中の名科白として知られているそうです)

そんな中、どこからともなくブツブツ・・・と低い男性の声が。
こんな時にお喋り?
気のせいかしら?と思っていると、
周りの観客の方々もキョロキョロされている風。

舞台を良く見ているとわかりました。
それは、和尚吉三のセリフだったのでした。
歌舞伎の場合プロンプターというのか、黒子さんというのか、その方の声だったのです。

そうだよなぁ。
突然「演れ!」と言われても、主人公の代役なんてそりゃ大変。
セリフだけじゃなく、振りや、他の役者さんとの掛け合いなんかも急場しのぎで出来るもんじゃないだろうし。
それが出来るって事は、如何に普段精進なさってるかってことなのでしょう。

でも、黒子さんの影が見えたのは、最初のシーンのみ。
その後はそんな気配一切感じることなく、舞台に引き込まれているうちに幕が下りたのでした。

八百屋お七を思わせる火の見櫓のシーン、綺麗だったな。
唯一昔から俳優さんとして知っていた、
市川亀次郎さんの「独楽」の踊りも、色んな所作がとても面白かったし。
何に一度の歌舞伎入門、今年も大満足でありました。

代役と言えば、
先日読んだ第22回日本ファンタジーノベル優秀賞の、
月のさなぎ」にも、急遽代役をたてるシーンがあったっけ。

月童子“と呼ばれる性別のない子供たち。
彼らは、成人が近づき性が決まるまで、男でもなく女でもない。
そのため抵抗力のない彼らは、
深い森の中の学園に隔離され、
集団で寄宿生活を送っているのだった。
年に一度の降誕祭の直前、
薄荷は“外“から侵入してきた少年と恋に落ち、学園を抜け出すのだった。
彼らの逃避行はどうなるのか?降誕祭は?

性別のわからない“月童子”とはいうものの、
どちらかというと昔読んだ少女小説の女子校の世界を髣髴とさせる、彼らの学園生活と、
物語の結末はかなりひらきがあり、
甘いファンタジーだと思っていたら、
そこにホラーSFの世界観をみたようで、
そのギャップがなんとも不思議で面白かったのでした。


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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
歌舞伎界は滞りなく新年が迎えられたようで・・・^^
あの方はなにしてるんでしょ!

cochiさんのおかげで、読んでるとなんだか歌舞伎座の雰囲気やどんな風に感じるものかがちょっと分かったような気がするよ。
日本のものでありながら遠い世界のように感じる梨園だけど、知らず使ってる言葉があったり、なじみ深さを感じるところを見ると、やっぱりわたしも日本人だなぁって思います。
いつかいける機会があったら素敵だろうなぁ。。。

この「月のさなぎ」の内容を見て頭に浮かんだのは、
カズオイシグロ(英国の日系作家)の『わたしをわすれないで』です。
社会と隔離された施設で子どもが育つんだけど、
なぜそんな事をしているのか・・・
この謎が解けるにしたがって、すごくショッキングな事が判明するのです。
虚構の世界のお話ではあるけど、もしかして近未来には現実になる日も来るかもしれない・・・?
そんなお話。
もしかしたら、これもそんなお話なのかなーなんて思ってちょっと気になります。
チェックしてみよ。
そうそう、金春屋ゴメス読んだよ。
おもしろかったぁ♪
shiho
2011/01/20 22:42
着物でお出かけ、いつも羨ましく思っています。
持っている着物の出番が、一切ないので
卒業式に着てみようかとも思うのですが、着付けや
その間の身動きの不自由さを思うと、やっぱりスーツか
とあきらめているところ。
cochiさんは、着物で出かけられるなんてすごいなーと。
黒子さんが、プロンプターやっているのもそうそう見られないのでは?
貴重な観劇でしたねー。
ROKO
2011/01/22 21:47
shihoさん、
>いつかいける機会があったら素敵だろうなぁ。。。
人生80年!?、機会はいくらでもあるよぅ〜。
是非ご一緒しましょう♪
私も精進して、解説できるように・・・がんばります。

カズオイシグロさんの『わたしをわすれないで』、
ショッキングなことって!?
すごく気になります。
さっそくリクエストしてみようっと。
cochi
2011/01/23 16:41
ROKOさん、
私も卒業式なんかの着物がピッタリな日には、
着て行ったことないのです。
正式なハレの場に着ていくには、お粗末な着付けなんですもん。

この季節は羽織なんかで怪しい部分を隠せるので、
大助かりです。
コスプレみたいに楽しんでる感じ?

でも、ご近所さんにお会いすると、
すごく恥ずかしいんですよ☆
cochi
2011/01/23 16:47
着物と言えば・・・
昨日、着物を着たおばさまをみてムスメが一言・・・

「あ、着物きた人がいる!
成人式かね?」

物を知らないのも、程があるわ。。。
shiho
2011/01/23 17:48

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